建設業許可

建設業は500万円までの工事であれば許可を得ることなく事業として行うことができます。
ただし、500万円を超える工事を請け負う場合には、建設業の許可が必要になります。これは大規模な工事を行う場合には、よりしっかりとした業務を行える事業者でないと最終的に消費者に多大な損害を与えることになりかねないからです。

 

許可がないからと言って、怪しい業者でもないですし、仕事内容としては変わらないのかもしれません。
ただ、建設業の許可を取っていることは消費者にとっても安心材料になりますし、元請事業者としても気兼ねなく業務を発注できるため、最近では建設業の許可を取得している事業者を優先して仕事を発注している元請事業者も増えてきています。

 

建設業許可の条件(要件)

建設業の許可は数ある行政手続きの中でも難易度が高い手続きです。条件自体も厳しいとは思いますが、それ以上に難しくしているのは書類の収集です。過去にさかのぼって多くの書類を集める必要があるため、実際は許可が取れるはずの方が書類が揃わないために許可が取れない。という事態も多発しています。
まずは、順番にどのような条件があるのか見ていきましょう。

経営業務の管理責任者等の設置

建設業に関する経営の経験が一定期間以上ある人が最低でも1人は必要です。これについての具体的な要件は以下の通りです。(すべてを網羅すると何を書いているか分からないHPになりそうだったので、一部を抜粋しています。)

 

1. 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者であること。

 

2.建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験を有する者であること。

 

3.建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する者であること。

 

当然のことながら許可申請に際してはこれを書面で証明しなければいけません。簡単に行くような場合もありますが・・・基本的にはかなりの難易度になる書類です。

 

専任技術者の設置

経営の責任者の次は、請負う工事に関する責任者と言っていいポジションの人も必要です。

 

建設工事に関する請負契約の適正や、履行を確保するための専門的知識がある人物ということで、ある意味経営の責任者よりも要件が厳しい側面があります。
なお、専任技術者は、許可を受けようとする建設業が一般建設業か特定建設業かで要件が変わってきます。ここでは一般建設業の要件を記載します。

 

①指定学科修了者で高卒後5年以上若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する者(許可を受けようとする建設業の種類によって指定学科等は変わってきます。)
②指定学科修了者で専門学校卒業後5年以上実務の経験を有する者又は専門学校卒業後3年以上実務の経験を有する者で専門士若しくは高度専門士を称する者(同上)
③許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、10年以上実務の経験を有する者
④国家資格者(業種によって異なりますが、営業所専任技術者となりうる国家資格者等の保有者)
⑤複数業種に係る実務経験を有する者
詳細は、国土交通省のHPにてご確認ください。

 

財産的基礎要件

続いては財産的基礎等と言われる条件です。(これも一般か特定かで条件が異なりますので、ここでは一般の条件を記載します。)
建設工事には、資材の購入・労働者の確保、機械器具等の購入など、結構な資金が必要です。そのため、一定以上の規模の工事を請け負うことができるためにはある程度の財産的基礎等を有していることが許可の要件となります。
と言っても莫大な資金が必要なわけではなく、一般建設業に必要な資金の条件は以下の通りです。

 

1,自己資本が500万円以上であること

 

2,500万円以上の資金調達能力を有すること

 

3,許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること

 

以上のいずれかの条件に当てはまればOKです。

 

欠格要件

建設業許可は申請者(法人の場合はその役員全員)、令第3条に規定する使用人等が一定の欠格事由に該当すると許可を得ることができません。
法律上は、細かく規定されていますが、すべてを上げるとボリュームが大きくなりすぎてしまうため、一例をあげておきます。

 

1,破産者で復権を得ないもの

 

2,一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者

 

3,禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

 

等です。これ以外にも多くの欠格事由が定められています。もしかしたら自分も・・・と思われる方は一度ご相談ください。

 

誠実性

建設業を営むためには、契約の締結やその履行に誠実でなければいけません。
ただ、これについては証明することも難しいですし、誠実に仕事をします!という宣誓的な要素だと思っていただければ大丈夫です。